僕の地元、高知でもコロナ感染者が連日発生中。都会の方ほどでは無いとはいえ、だからといって人の多いところに遊びに行くわけにもいかず愛犬サマンサもなかなか遠出ができず退屈そうな表情。
こりゃいかん、と、なんとか県内、近場で人が少なく遊びに行けるようなところは無いものかーと探していると、サマンサが我が家に来る前に一度妻と行ったことのあった、仁淀川町の中津渓谷を思い出した。
これはその時に撮った写真。
岩肌の色が独特でとても美しい!
紅葉が有名で秋になると紅葉を求めてやってきた観光客で賑わう渓谷だけど、今はオフシーズン。こんな山奥まで来る人も居ないだろうとサマンサも引き連れ行ってみた。
すると予想的中。
駐車場は2台ほど停まっているだけで人気もほとんどない。
谷を歩いた1時間ほどの間にすれ違った観光客もほんの数組だけと、サマンサにとってはのびのび歩ける理想の状況でした。(観光地としては寂しいんだろうけど)
どこへ行っても川・川・川な高知県に住むサマンサにとっては渓谷を流れる川の水は当たり前のモノで、序盤の比較的緩やかな渓流ゾーンは平気な顔してズンズン進む!
途中細い橋やトンネルなどもあったけど気にする様子もなし。少しぐらいへっぴり腰になる姿を期待していた僕と妻はちょっぴり拍子抜け・・・。
が、
中間地点ほどから上り坂もキツくなり川の流れもだいぶ激しくなってきたところに現れた金属製の階段。
ずっと僕の前を楽しそうに歩いていたサマンサ、急停止。
僕が先に上ってもついてこようとしない。
これは・・・。
ドS心に火が付いた僕。いじめたくなる気持ちを抑えられず少しからかってみる。
階段前で尻込みするサマンサを置いて先に進もうとするフリをしてみた。
するといつもは冷静なサマンサも、「バイバイ」や「じゃあね」の言葉を意味を理解できるのでプチパニック。
フゥーンフゥーンと抗議の声が止まらない。
当人にはひじょーに申し訳ないのだけれど、こういう瞬間が一番頼りにされてる、求められてる感じがして父としてはとても幸せを感じていたりするのです。
それはさておき、さすがに可哀そうなのでいい加減戻ってあげた。
普通の階段なら平気なんだけど、金属製の、しかも下が所々見えてしまう作りの階段はどうも苦手みたいで1段目に足をかけることはできてもそれ以上が無理らしい。
かといってここまで来たからには引き返すのももったいないので抱っこして階段の上まで運んであげた。
体重30キロを抱えての階段上り。
渓谷の最深部はまだまだ遠い・・・。
すでにグロッキーな僕とすっかり元気を取り戻したサマンサ。
何事もなかったかのような顔でまた渓谷を進み始め・・・安心したのも束の間、次の難関に差し掛かる。
幅50cm程の橋で、問題なのは細さよりもその高さ。高いところが苦手な人には少し勇気がいるかもしれない。しかも少し揺れる。
橋の真ん中まで来たところで状況を理解したのか突然しゃがみ込んで後退り。
後ろに僕と妻が居るのもお構いなしに逃げ出した!
僕の記憶の中で最も情けない姿を見せてくれた瞬間だった。
さっきの階段よりもよっぽど恐怖だったのか一歩も踏み出そうとしない。
そこで妻が先陣を切って橋を渡り切ってサマンサを手招き。
するとようやく少しずつ進みだした。
進みだしたんだけど…まさかの匍匐前進。
犬ってこういう動きもできるんだなぁと、犬と暮らすこと20年以上になる僕にも初めての光景。
怯えるサマンサ。
それを見てお笑いする僕。
周りから見るとただのイジメだったかもしれない・・・。
でもカッコいい犬種――例えばそれこそシェパードだったりドーベルマンだったり――が情けない姿を見せるとどうしようもなく愛おしい気分になるのはきっと僕だけではないはず。
妻の応援(?)のおかげで何とか橋を渡り切ったサマンサ。
おめでとう!帰りもあるよ。
中津渓谷最難関(サマンサ的に)を乗り越え、最深部にある雨竜の滝まであと少し。
途中で水辺の近くまで降りられる場所を見つけたので小休憩。
しかし、本当に水がキレイ。
あと少し。
割と崖っぷちなんだけどたくさんの難関を乗り越えたサマンサは平気な顔でグングン進む。
そして到着。
雨竜の滝。
数日前に雨が降ったこともあって中々の水量!展望台まで水しぶきが跳んでいた。
サマンサは…帰ろうとしている。
元々そんなに散歩が好きじゃないのでいつも30分ほど歩くと帰ろうとする子で、まぁ普段よりは頑張った方か…。
達成感を感じるヒマもなく引き返す事となった。
そして再び例の鉄橋…今度は一気に渡りきることを選んだのか小走りで走り抜けた!カッコいいぞサム!
やっぱり匍匐前進気味ではあったけど。
来た時には別ルートだったので寄ることのなかった休憩スポットでおやつタイム。
色々芸をしていたら通りがかった一家に「シェパードだ!カッコいい!」と声をかけてもらえて僕も誇らしい。
再び帰り道、そして来るときに最初の難関だった鉄性の階段。
また抱っこか…?と思ったけどスルスルと自力で降りることができた。
この数時間の間にまた少したくましくなったのかも。
ここを超えたらもう往復が終わったも同然。
無事、中津渓谷散策を終えることができた。
中津渓谷、犬と一緒に遊びに来るのは個人的にはオススメ。
ただ、先述した通り紅葉シーズンはかなりの数の観光客で賑わうので、人混みが苦手な子や大型犬は細い道でトラブルがあると谷を滑落して大ケガ、なんてこともあるかもしれないので気を付けた方がいい。
あと服装。
狭いトンネルを歩いたり壁が近いところを歩く事が多いので多少汚れても気にしない服装である事と、濡れた岩の上を歩く事もあるので滑りにくい靴を履いて行く事をオススメします。
2組ほど若いカップル、それぞれ女の子がハイヒールを履いて渓谷に入っていく姿を見かけたけれど無事渓谷巡りを終えることができただろうか…。
これから中津渓谷に女の子をデートに連れて行こうと考えている紳士諸君はちゃんと渓谷歩きに相応しい恰好をしてくるようアドバイスを伝えておくのを忘れずに。
犬連れの方は、川の水がかなり冷たいのでおなかを壊しやすい子は飲み水を持参してあげてください。
と、こんな感じでオフシーズンを狙えば大型犬でも一緒に渓谷歩きができるおすすめの場所だった。
ただ結構な距離、しかも決して歩きやすいとは言えない道を1~2時間歩く事になるので、極端に暑いのが苦手な犬種や脚に疾患のある子、老犬なんかは体調をよく確認して辛そうだと思ったらすぐ引き返す事をオススメします。
サマンサもいずれはこの日のように一緒に渓谷歩きができなくなるかもしれない。元気いっぱいな今のうちにいろんなところに連れて行ってやろう。
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